2012年01月25日

土の代わりにフィルムの上で植物を栽培する技術



上動画は早稲田大学 理工学術院 の森有一博士のプレゼンテーションです。 「2011年素晴らしいアイデアを広めた「日本人による」TEDのプレゼン7選 | Oops! Study」で知りました。



内容は「土の代わりにフィルムの上で植物を栽培する技術」の紹介です。 特殊なフィルムを開発し、その上で野菜などを栽培する技術を確立したそうです。 この農法の主な特徴(メリット)は2つです。



(1) どこでも安定的な生産が可能

(2) 栄養価が高く、おいしい野菜(果物)になる



(1)どこでも安定的な生産が可能

砂漠やコンクリートの上でも野菜の栽培が可能です。 3.11の津波で被災した農地は土の汚染が深刻です。 そういう場所でも栽培が可能なので農業再生に役立つかもしれません。


(2)栄養価が高く、おいしい野菜(果物)になる

フィルムの上は植物にとっては過酷な環境です。 その環境で必死に育つので、栄養価が高く、おいしい野菜になるそうです。 詳しくはこちらをどうぞ



まだ試験段階らしいですが、とても興味深い技術です。 コストやメンテナンス性、環境負荷などは不明ですが、もしそれらをクリアしたなら、仕組みはシンプルなのですぐに普及しそうです。 未来の農業を変える技術かもしれません。 要注目です。



以下は内容のメモとして自分なりに少し編集したものです。 正確な文字おこしではありません。 正確な内容を知りたい方は上の動画をご覧ください






20120125-194919

森です。 面白い農業の技術を開発しましたのでご紹介いたします。



20120125-195100

土の代わりにフィルムをつかった農法です。 このフィルムの上でいろいろなものが栽培できます。



20120125-172122

これが栽培してる植物の苗です。



20120125-172241

裏面はこうなってます。 植物はフィルムの表面に根をはります。 フィルムの内部に食い込んでいるわけじゃありません。



20120125-172352

逆さまにしても落ちません



3・11の津波で土が汚染された地域でも、このフィルムを使えば農業が再開できるのではなかろうかと期待されてる技術です。



では、どうやってこのフィルムの上で野菜を栽培するのかご説明します。



20120125-174639

まずは地面にこの黒い「何も通さないフィルム」を敷きます。 かなり丈夫で破れたりしません。 ※油や有機水銀、放射性物質なども通しません。



20120125-180058

その上に水や液体肥料を供給するための管(ホース)を置きます。



20120125-180304

その上にフェルトを敷きます。 このフェルトに液体肥料が染みこみ、周囲にまんべんなく広がります。



20120125-180430

その上に例の栽培フィルムを敷きます。 



・栽培フィルム

・栄養供給用の管(ホース)

・黒い「何も通さないフィルム」

・地面



という順番で重ねるだけです。



20120125-181006

そして種を撒くと、こういう風に育つわけです。 とてもシンプルな技術です。



20120125-180852

このフィルムはおむつなどに使われてるハイドロゲルという素材からできてます。 水と栄養素を非常によく吸収します



しかし、この素材は吸収した水(栄養素)を裏から排出しません。 種を撒いても、フィルムの表面はカラカラです。 普通なら植物が育つ環境ではありません。 しかし植物はフィルムの表面に根をはり、必死に水と栄養素を吸収します。 過酷な環境で必死に育つので美味しい野菜に育ちます。



実はフィルムにはナノサイズの穴が開いてます(この穴のサイズのコントロールが難しいのですがそれに成功しました)。 植物はそこから水分と養分を吸収します。 しかし植物にとっては過酷な環境です。 植物は吸収しにくい水分や養分を摂取するために糖分、アミノ酸などの成分を大量に合成し浸透圧を高めます。 この過程で植物は高栄養化し、おいしい野菜になります。



※詳しい説明は以下のリンク先をどうぞ

プロジェクト研究|早稲田大学理工学研究所



20120125-184438

菌やウィルスはこのナノサイズの穴を通過できません。 だから病気になりません。 このフィルムで栽培すると安全で、栄養価が高く、おいしい野菜が手に入ります。




20120125-191340

今、日本の20施設でこのフィルムを使って、試験的にトマトを栽培してます。



20120125-191405 20120125-191415

ここは1ヘクタールの農場(施設?)に8万本のトマトが栽培されてます。



20120125-191641

できたトマトは非常に甘くて美味しいです。 トマトだけでなくメロンも栽培してます。 他にもイチゴ、パプリカ、きゅうり、レタスなど、大部分の野菜はこのフィルムの上で栽培できます。



20120125-191910

もう一つの特徴はこの 黒い「何も通さないフィルム」を地面に敷いてしまうことです。 油や有機水銀、放射性物質などで土が汚染されてても一切関係ありません。 砂や氷、コンクリートの上でもフィルムを敷くだけで野菜が栽培できます。 どこでも安全な野菜が安定的に生産できます。



20120125-192502 20120125-192506

20120125-192529 20120125-192600


それを証明するために、ドバイの砂漠の真ん中の砂の上にフィルムを敷いてトマトを栽培してます。 太陽光が強いので野菜の成長がとても早いです。 もしかしたら不毛な砂漠を肥沃な農地に変えられるかもしれません。



日本に話を戻しまして、



20120125-192919

今感心があるのは3.11の地震により使えなくなった農地の再生です。 ヘドロ、油、放射性物質などで汚染された土地にこの技術が使えるのではないかと考えてます。 実用化を目指してこれからもがんばります。 ご清聴ありがとうございました

(了)



リンク とくみつ録どれどれ

プロジェクト研究|早稲田大学理工学研究所

TEDxTokyo



関連記事 とくみつ録用これまた

TV 「サイボーグ技術が人類を変える」

ビジネス・ブレークスルー757チャンネル、長期モニターレビュー

遺伝子組み換えとモンサント

まるでターミネーター! 二足歩行ロボット「PETMAN」



日本農業の真実 (ちくま新書)
定価:¥ 756
レビュー平均:4.64.6点 (8人がレビュー投稿)
5.05.0点 農業政策の課題が明確になった
5.05.0点 農業の未来
5.05.0点 日本の農業を知り、その上で農政を語るために
出版日:2011-05-11
メーカー:筑摩書房
by 通販最速検索 at 2012/02/04